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「みぃちゃん♪お星さま見に行こうよ!!」


小さな頃


寝ぼけながらベランダにでると、そこには、闇夜に散らばるお星さまのようにキラキラの笑顔があった。



あたしを起こすために色んな物を窓に投げつけたらしい、部屋のベランダにはぬいぐるみやボールが無数に転がっていた。


「暗いからヤだよ…きょうちゃん…」



わずかな道路を挟んだ窓と窓。

暗闇に小さなあたしの声は響いていく…


「大丈夫。お星さまは暗くなくちゃ見えないんだよ!!」


向かいの部屋には恭次の笑顔。



あたしは…

そんな顔に、なんだかすごく大丈夫な気がしたの。


小さく頷いて、こっそり家を抜け出した。



「ねっ怖くない」


玄関のドアの前

触れ合った小さな手と手。



真っ暗闇の中


手を引かれて連れられたのは家の2軒先の小さな公園。


そんな僅かな距離だって、幼いあたしたちには大冒険だった。



しばらくして、持ってきていた目覚まし時計を見つめていた恭次は不意に顔をあげる。


ジャングルジムに登って見上げた空は満天に煌めいていた…