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『あーっ!!返してよ!!』


結局我が家の食卓に恭次も座っていた。

まぁそんな事は日常なんだけどね。



あたしのお皿からフライドポテトを勝手に奪った恭次は自分のお皿からあたしのお皿に人参をポイポイ移してくる。


『瑠璃ちゃん…俺、ニンジン…嫌いだってば…』


大袈裟に悲しい顔をして、お母さんに話しかける。


『人参食べなきゃ強い子にならないわよぉ〜』

お母さんは言うけど

『俺、一通り強いからいいよー。波琉にあげなよー瑠璃ちゃんのオニー!!』

なんて、恭次は返す。


お母さんは恭次に自分の事を「瑠璃ちゃん」なんて呼ばせている。


ちなみに恭次のお母さんはお母さんで「舞ちゃん」と呼ぶようにあたしは育てられていたわけだけど…。

全く、変わった親たちだよ。


『あのさぁ…恭次は反抗期ってないわけ?』


フライドポテトを口に運び、依然人参を運ぶ彼に呆れてつい聞いてみた。


『反抗期?そんなもんないね、てか俺が反抗したら、波琉に悪影響でしょ?』


いやいや、反抗期の前に存在そのものが悪影響よっ!と思ったけど、あえて言うのはやめた。