……「最悪だ。」


高校生になって2ヶ月が過ぎた。


あたしの手に握られたのは5枚の紙。
どれもこれも、赤いペンでしっかりと
低い数字ばかりが書かれている。


あーあ・・

がっくりと肩を落としたあたしとは逆に
教室の真ん中で、歓声があがった。


「新田、お前やべーな!」
「また学年トップだろ!?」


…やっぱりこいつだ。


いっつも笑っていて
勉強してる様子なんて全くないのに。


新田の手にある5枚の紙には
あたしの3倍以上であろう数字が見事に並んでいた。