「ねーねー、知ってる?斉藤麗華の親ってさー」
「あー!やばいよねぇー」

「斉藤さんって超美人だよなー」
「バカ、やめとけやめとけ。あいつ男遊びやばいからすぐ捨てられるぞ」


―――中学のころからそうだった。
なぜかどんどんと広がっていく両親の話。

ホストとキャバ嬢の血を引いたあたしの顔は、
たしかに全て整ってはいて。

親の噂、
やたらと整った顔。

そしてみんなに広まった噂。

“斎藤麗華は男を弄ぶ”


あたしは、学校でも独りだった。