「あっそ。じゃぁ、話し戻すんだけどさ」


お?話を?戻す?


「どうすんだよ。いいか?」


「い、いいか?」


「・・・お嬢様。」


急にいつもの執事スイッチが入った薫。


やけに・・・笑っている。



この笑いは・・・


ブラックだ。



「もしかして・・・」

「そんなことはないぞ!?」


「わかってんじゃん。じゃぁ、話し聞いてたんだよな?俺、さっき何て言ったよ。」


「そ、それは・・・」


おそらく、先程私が一人の世界で旅をしているとき、薫は私に何かを話していたのだろう。


しかし、当然のことながら私は聞いてなどいないわけで。



・・・つまり、これはかなり危険だ。


すでに私の状況は最悪な事態になっている。

引き下がることは不可能だろう。


となると・・・


「返事だけでも良いか?」


こう聞けば、おそらく聞かれた内容をもう一度言ってくれるのではないか?


たとえば、『明日デートしますか?』『行きたいところはありますか?』

といった感じで・・・


「あぁ。構わないけど。じゃぁ、良いか悪いか。どっち?」




よし。では、良いにして・・・って!?