「あ、予鈴。早く行こう、ミナ」

「あ、うん」

紗江に急かされて、やっと足が動いた。

あたしは走って校舎の中へと入っていった。

不思議な感情を抱えたまま。

胸に引っかかっているのは、一つのなんの根拠もない確信。

さっきのあの桜の花びらは、愛たちが来る前にいつの間にかなくした桜の花びらと、同じもののような気がしていたのだ。

なぜだろう。

それが欲しくて欲しくてたまらなかった。