「ホントにごめんな」
そう言って、友哉とまた歩き出した。
「さっきぶつかったヤツ、俺知ってる。」
友哉はホント何でも知ってる。
「なんでだよ!あいつは俺たちとは違う中学のやつだろ?」
「そうなんだけど、でも男子の中では名前の知れた奴だったよ。他校でも。」
俺は知らない。何にも聞いたことがない。
「佐々木奈緒って聞いたことないのか?」
・・・・あ。
思い当たることあり。
「名前だけなら。」
「あいつだよ、佐々木奈緒って。この町で一番かわいい女子っていうのは。」

そうだったんだ。