「ち……ちょっと! 王河っ!!」 あたしの声なんか、あっさりスルーして。 1-Aの教室に帰ることなく、階段を下りはじめる王河。 「ねぇ、帰るの? でも、カバンは教室でしょ? それに……。 久しぶりに学校来たんだから、ちゃんと授業受けた方が……」 そんなあたしの忠告も無視して、王河はあたしの手を掴んだまま、3階から1階まで下りた。