ラプソディ・イン・×××

親父と母さんは、

見合いで結婚した。



政略結婚とまでは言わないけど、

まぁ、似たようなもん。



けど、結婚当初から

関係はイマイチで、

なかなか

子どもにも恵まれなかったから、

よけい関係は悪化していた。



だからって

許されるわけじゃないけど、

親父は別の若い女と

不倫関係に陥った。



相手は、佐野椎南の母親だ。



結局、別れたけど。


別れたあと、

佐野椎南の母親は、

椎南を出産したらしい。




親父に隠し子がいることは

誰かから聞く前から

薄々気づいていた。



なんとなくずっと、

隠し子の存在を感じながら

生きてきた。


付きまとってくるのに、

まるで切っても切れない、

しかも実体のない影のように。



一人っ子のはずなのに、

まるで競争相手でもいるかのように


「家を継ぐのは

貴方なんだからね」

と“誰か”に負けないことを

強要してくる母親。


法事の席とかで、

色々と噂話する親戚の声も

聞こえてきたし。