ラプソディ・イン・×××

オレも笑顔で応える。


「これからじゃん。

お互い。頑張ろうぜ」



「うん!

…?どうかした?」




ふいにオレの視線が泳いだことに

気づいたスミレは、

オレの視線の先を目で追った。



「…いや、何でもない」


一瞬、

親父が見に来ていたような

気配を感じた気がした。


また親父が現れて、

オレの演奏に

ケチつけんじゃないかって

頭によぎった。


…気のせいだったけど。






一人バーの片隅で、

生演奏を楽しむ。

たった一人で親父は

いつも何を思っていたんだろう。



そして最後に

ベッドの上で一人

人生にどう幕を引くつもりで

いるんだろう。




母との離婚のあと、

親父は再婚することはなく、

広い家に一人で住んでいた。



そうなったのも自業自得。



けどさ、

親父がそれでよくってもさ、

いくらお袋の気が済まなくってもさ、


子どもに罪はないはずだ。


なあ、親父。


このままで、いいのかよ。