ラプソディ・イン・×××

それから、たわいのない話をした。



オレから話す話題なんて

サックスのことしかないんだけど。



例のコンクールに挑戦することとか。


フリアは身を乗り出して

オレを激励してくれた。



フリアとこんな時間を過ごすのは

久々だった。



気づいたら日が暮れていて、

公園の時計に目をやった。



「門限7時だっけ。もう送るよ」


「…ありがとう」




フリアの家まで並んで歩く。



「…久々に、楽しかったな」

とフリアはつぶやいた。


「うん、オレも」



はた、と目が合った。



ふいにフリアの大きな瞳の中に、

捕らえられた感覚がして、

慌てて目をそらす。



「…これからもさ、

友だちとして仲良くやってこうぜ」


明るく言った。



フリアが立ち止まった。


振り返ると、


「−−それ、撤回していい?」


オレの顔をまっすぐ見て言った。


「え?」



「友だちになろって言ったの

アタシだけど、それ撤回」


開き直ったような口調だ。



「は?何いきなり」


あっけにとられて聞き返した。