ラプソディ・イン・×××

「それとも

お子ちゃまなウォッカには、

ミルクセーキがいいかにゃ〜?」


クスクス笑って、ジンは、

オレが飲めなかったブルームーンを

流しにこぼした。



「うるせーよ、バーカ(笑)」



流し台から菫の香りが

また立ち上がって、

やっぱり魅力的なカクテルだと思った。



今はまだ飲めたもんじゃないけど、

この味がわかるようになるころには、

きっとサックスも恋愛も

上手くバランス取れるように

なるんだろうかと漠然と考えた。





ジンの家は居心地よくて、

ついダラダラ長居してしまう。



ジンの母ちゃんが

料理作る匂いしてきたから、

このまま晩メシご馳走になって、

それから音楽棟に行こう!

なんて目論んでたら、

メールが入って、

急遽帰ることになった。



『今、ウォッカの家の近くに

いるんだけど、少しだけ会える?』


フリアだ。




フリアは、家の近所の公園の

ベンチに座ってオレを待っていた。



オレの姿を見つけると

夕日の逆光に目を細めながら

オレに手を振った。