ラプソディ・イン・×××

「ま、スミレさんが、

“ブルームーン”ってだけあって、

はじめっから見込みなかった

ってことやなぁ」



「…ぐっ……てめぇ…。

上手いこと言ってやった、

みたいな顔しやがって!」


腹立つ。


けど、ぐうの音もでないって、

こういうこと…かも。




涼しい顔してジンは

新しいシェーカーを手にした。


「お前はこれでも飲んどけ」


そう言って、

カクテルを作りだした。



オレンジとパイナップルのジュースと、

あと少量のグレープフルーツジュースと

グレナデンシロップを加えて

シェイク。


出来上がった

オレンジ色のカクテルを

ワイングラスに注いだ。


そして、スライスした

オレンジとグレープフルーツを

グラスのフチに飾って差し出した。



「…何」



「プッシーキャット

(可愛い子猫ちゃん)や」


「…てめぇ」



「美味いやろ?子猫ちゃん♪」


「…まぁな」


甘酸っぱくてジューシー。


美味いよ。当たり前だろ。


ジンが天才バーテンダーだって、

オレが一番よく知ってんだから。



バーテンダーとジャズサックスで

二人で夜のムーディーな世界を

席巻すんだろ?