ラプソディ・イン・×××

「ブルームーン。

今のウォッカに

ピッタリなカクテルや」


マズいと言われて

不服だったんだろう、

ジンは意地悪な顔して言った。



「ピッタリって…?」



「カクテルのブルームーンには、

有名なエピソードがあるねん。

カクテル好きならみんな知ってる」


「何?」



「once in a blue moon」


「?」


何、急に英語?

ポカンとしてたら、



「英語の慣用句や。

意味は、“極めて稀なこと”

“決してあり得ないこと”。

そんな慣用句にも

“ブルームーン”って登場するくらい、

ブルームーンなんて、

滅多にない。ってことからきてる」


まるで教師のような口調で言う。



「…ああ、それで?」


だから何だよ。

怪訝な顔して尋ねたら、

ジンは悪い顔してニヤリとした。


「カクテルの“ブルームーン”は、

“ありえない”“出来ない相談”

ていう意味があって、

“お断りの酒”として有名やねん。


つまり、

バーで女性を口説いてるときに、

女性がブルームーンを頼んだら、

…そう、フラれたってことや」


「…な、んだソレ」