ラプソディ・イン・×××

オーダーした。



何を作るか。


しばらくジンは

考えているようだった。



「…未成年にアルコールは

出されへんねんけど。

今日は特別、な」



「酒出してくれんの?」


突っ伏したまま、

オレはジンの動きを目で追う。



ジンは、棚から酒の瓶を

セレクトしていた。



やけ酒でも

つき合ってくれるっていうのか?


オレは身体を起こした。



黙ったままジンは、

シェイクして作ったカクテルを、

逆三角のカクテルグラスに注いで

差し出した。



初めて見るカクテルだった。



見惚れるような、鮮やかな薄紫色。



これは…



「どうぞ、ブルームーン」



「ブルームーン…」


これが…。

つぶやいて、見つめる。


なんてキレイな色だ。



表面に細かい氷の粒が

キラキラと浮いていて、

カクテルブックの写真で

見せられたブルームーンより、

もっといっそうロマンチックだった。


それから妖艶だった。



これが酒?

ふわぁっと香水のように

菫の花の香りが立ち上がる。