ラプソディ・イン・×××

いや、

まだ予選にすら出てないってのに、

気が早過ぎると、

自分に突っ込む。



早くスミレに会いたかった。


で、話を聞いて欲しかった。



スミレにも、オレにも。


この先の未来に可能性がある。


もちろん、成し遂げるのは

これからなんだけど。


チャンスがある。


そんな感情を共有できるのが

待ち遠しくてたまらなかった。




日が暮れるのが早くなってきた。


もう夏も終わりだ。




音楽棟の屋上から、

景色を眺めていたら、

音楽棟に向かってくる

二人の姿が見えた。



「スミレとプーさんじゃん」



プーさんってのは、

ブルームーンの

ソプラノサックス担当の、

背が小さくて、小太りな男だ。



確か、市役所に勤めていた。


いつもニコニコ優しい男で、

親しみをこめて、

ソ“プ”ラノの“プーさん”って

皆に呼ばれている。



大声で手を振って、

声かけようとしたけど、やめた。



機敏とか読み取るの苦手なんだけど、

そんなオレでも気づいた。



二人して何やら深刻な顔してる。