ラプソディ・イン・×××

「別に、賞取ったり、

雑誌載んのがゴールじゃねぇし」


オレはハーフのパッチリ二重から

目をそらした。


ハーフっつっても

フリアは日本育ちで

日本語しか話せないんだけどな。


「まぁま、

まず取ったり載ったりしなきゃ

なんも始まんないんだし」


フリアはオレの肩を

パシパシと軽快に叩いた。


「…そりゃそうだけどよ」


「頑張って、アタシのためにも」



「何で、お前のために頑張んだよ」


「だぁって、

イケメンサックスプレイヤーが

元カレなんて鼻高いじゃん♪」


フリアはウインクして、

そのあと掲示板に目をやった。



…鼻高いって…何だそれ。



オレらは半年くらい付き合ってた。

三ヶ月前に別れたけど。


別れたけど、ドロドロするでもなく、

こんな風に

サッパリした関係が続いている。