ラプソディ・イン・×××

「ウォッカ、何見てんのっ」



休み時間に、

廊下の掲示板を眺めてたら、

背中を叩かれた。



「痛ぇな、…フリア」


オレは背中をさする。

ま、そんな痛かったわけでも

ないんだけど。


どっちにしろ、

背中をさするオレを気にもとめず、

フリアは話しつづける。



「雑誌買ったよ〜、おめでとう。

やったじゃん。



何、あんま嬉しそうじゃないのね?」


フリアは、オレの顔を

上目遣いでのぞきこんだ。

目力がすげぇ。



江碕 フリージア


長いから、縮めてフリアって呼んでる。

ハーフだ。


167㎝もある女だから、

目線が近い。


フリアは挑発するように

長い髪をかきあげた。

ゆるやかなウエーブのかかった

柔らかい天然色の茶髪。


オレはその髪に

指をからめるのが好きだった。