すぐ目についたのは、
家政婦が大事そうに抱えていた、
古いサックスケース。
親父が、
後生大事にしてた
テナーサックスが
入ってるはずのケースだ。
「実は、旦那様から、
お亡くなりになったあとに、
奏お坊ちゃまへ
お渡しするように、
と仰せつかっておりました」
家政婦は、
オレにケースを差し出した。
ケースを受け取ると、
あるはずの重さを感じない。
「は?どういうことだよ」
ケースを開けると、
やはりサックス本体は
入っていなかった。
その代わりに
小さな紙と鍵が入っていた。
紙には
どこかの住所が書かれている。
この鍵はそこのだろう。
「20年、
お仕えさせて頂きました。
旦那様には
本当に良くして頂きました…」
家政婦はハンカチで涙をぬぐい、
親父の側で肩を震わせている。
家政婦曰く、
葬儀だの何だの、
死んだあとの段取りも
全て親父は
ととのえていたようだ。
窓から、
親族が弁護士を伴って
やってきたのが見えた。
家政婦が大事そうに抱えていた、
古いサックスケース。
親父が、
後生大事にしてた
テナーサックスが
入ってるはずのケースだ。
「実は、旦那様から、
お亡くなりになったあとに、
奏お坊ちゃまへ
お渡しするように、
と仰せつかっておりました」
家政婦は、
オレにケースを差し出した。
ケースを受け取ると、
あるはずの重さを感じない。
「は?どういうことだよ」
ケースを開けると、
やはりサックス本体は
入っていなかった。
その代わりに
小さな紙と鍵が入っていた。
紙には
どこかの住所が書かれている。
この鍵はそこのだろう。
「20年、
お仕えさせて頂きました。
旦那様には
本当に良くして頂きました…」
家政婦はハンカチで涙をぬぐい、
親父の側で肩を震わせている。
家政婦曰く、
葬儀だの何だの、
死んだあとの段取りも
全て親父は
ととのえていたようだ。
窓から、
親族が弁護士を伴って
やってきたのが見えた。

