「それでは最後に、貴方にとって、

サックスの魅力とは何ですか?」



魅力?

そんなのカッコイイからですよ。



「…他には?」



カッコイイから、

だけじゃ理由にならないんすか?



…しいて言うなら、

サックスの中でもアルトは、

曲のジャンルも問わず、

メロディーだってバックだって

どこでもプレイできるじゃないすか。



ブラスバンドだってビッグバンドだって

ソロパート多いし、


一人で吹いたってさまになるでしょ。



ベストオブ管楽器ってとこ。


デカすぎず動きやすいしね。



あと、なんてったって音が良い。


女の声に例えられる音色ってだけあって

華やかだ。




そこまで言うと、

やっとインタビュアーは

納得して帰って行った。



…ったく、

いちいち小難しい理由なんて

いらないっつーの。



シンプルに一言、

カッコイイから。



やり続ける原動力なんて

それだけで十分だろ。