あの人を初めて見たのは中学二年生の夏。

あの人は笑っていた。
そばでは友達が笑って、教室では
色んな話し声で耳が痛かった。

うるさい教室、うるさいセミ
何もかもいやになった。

苦しい悲しい痛い。

助けてほしかったんだ、
胸のモヤモヤに気付いて
温めてくれる人に。

ふと教室の窓から空を見上げた。
そこには雲一つない青い青い空が
私たちを見下していた。