『ーーーー、ーー』
1時なのに、まだ誰かいる…。誰かなんて、わかりきってるけど。お風呂に入りたかったけど、後にしよう。
音をたてないように、部屋に向かう。
『姫ー?帰ってきたんだろー?こっち入っといでー』
びくり!反射的に体が強張る。
姫なんて呼ぶのは、彼の友達だけ。姫なんて笑える程、私には不釣り合い。
「…はい」
素直に従って、リビングに入る。
「おかえり、姫」
玄関にいても臭うだけあって、リビングにはお酒の臭いが、充満してた。
臭いだけで、酔いそう…。
「今晩わ。真弥さん」
「あれ?姫ちゃん~。2ヶ月ぶり~」
脱衣所の方から出てきたのは、だぼだぼなTシャツをきた、女の人。
本当にスタイルいいし、綺麗な人…。
「お久しぶりです。智美さん」
ぺこりと頭をさげる。彼の幼馴染みだといつだったか、紹介された。彼の方は見ない。彼と会うのは少し、怖い。
