居場所。

「クラスの読書仲間です。不思議な人で、何故か私が寂しい時はいつも、気づいたら、側にいてくれてる人です」




毎年、両親の命日になると、ずっと一緒にいてくれる。弱くなった時や、不安になった時も、すぐに気づいて、そばにいてくれる。




「優しい子なのね」


「はい、とても」


「(あいつには、内緒ね)学校やバイトは、楽しい?」


「楽しいです」


「そう。みんな優しい?」


「はい。私は恵まれてます」




私には勿体無いほどの優しさを、皆がくれるから、甘えてしまう。ずっといたい、とすら願ってしまう。




「姫ちゃんは、ここにいるのは、苦痛な表情してるわよね。ここは嫌い?」


「いえ。私は…」




続きが出てこない。嫌いではない。苦痛でもない。でも息苦しい。

ぎゅっと、膝の上で拳を作った。