朝リビングに繋がる、扉を開けてリビングに入る。静まり返ったリビングには当たり前だけど、人はいない。



「はあ」



朝の5時。少し薄暗いリビング。床の冷たさが目を冷まさせる。

こんなに早く起きるのは、゙彼゙に会わない為。一人分の朝食を作って、ラップをして机に置く。




カタンッ



゙彼゙の部屋からした物音に、体が反射的に固まって、息が苦しくなるような、感覚に陥る。

誰も出てこないとわかると、すぐに部屋に戻った。



「おはよう。母さん、父さん、透希」



制服に着替えて、写真の中の家族に挨拶をする。


7年前の冬。家族を失った。当時まだ6歳だった。それから私は、沢山の家をたらい回しにされてきた。そして4年前に、゙彼゙に引き取られた。