「あたしにはね…居場所がないの…
あたしが4歳の誕生日、ママは誕生日ケーキを買いに行ったの。
そしたら車でひかれて死んじゃった
パパは新しい奥さんと結婚して娘もいる
だけどあたしには居場所がなくなったの…
一人ぼっちだったの」
「……そうか…」
結人は同情しなかった
ただあたしの目を見ていた
その視線に耐えることができないあたしは逸らした
でも結人はそれを許さなかった
「良かった…あの夜、華夜を見つけたのが俺で…」
「え…?」
「これからは一人じゃないから、俺がいるから」
あたしはまさかの反応に驚いた
だってめんどくさいとか思ってないから…
あたしはものすごく結人に触りたかった
運転してる結人に抱きつくわけにはいかないから
空いている左の手を握った
