「と、ゆ~ことなのよ!!」


白いワンピースに長い栗毛をたらした


幽霊の居候は、もう何回聞いたか分からない話を


オレ――大橋佳那汰(おおはしかなた)に、


悲しそうに話している。


「はいはい。大変でしたね~」


「ひっど~い!! どうせ佳那汰くんには


突然幽霊になった私の


気持ちなんて分からないわよ!!」