「俺……」

「うん?」


俺は真っすぐに直美さんを見た。そしてしっかりと告げる。


「俺、看護士になる。」


驚いた様子の直美さん。
当然か、俺だって驚いているんだから。
だけどもう止められない。


「勉強して、学校に行く。国家試験を受けて、必ず看護士になる。」


直美さんは温かな表情で、そっか、と呟いた。


「周作くんが前に進めて良かった。でも、なんで看護士に?」


その質問に、少し考えて答える。


「人が、好きだから……。」


それを聞いた直美さんは、幸せそうに笑った。