俺は直美さんに精一杯の気持ちを込めて、お礼を言った。

「本当に、ありがとう。」

「私も、周作くんや小森さんに出会えて良かったよ。」


いつからか直美さんは、俺やじいちゃんには看護士としての顔ではなく、“直美”という一人の女の子の顔を見せてくれていた。

俺やじいちゃんはそれにどれほど癒されていただろう。


「あの、さ。」

「え?」

「俺……」


直美さんが俺の顔を窺う。華奢なその首を軽く傾げて。