「こんにちは。毎日ご苦労様です!」

「いゃ…まぁ…」

俺はなんとも情けないほど曖昧に返事をした。

手に持っている漫画雑誌を心の中で激しく恥じた。


「後で小森さんの病室に伺いますので、また。」


そう言って直美さんは爽やかに去って行った。

細身な彼女は後ろ姿も綺麗だった。


直美さんは俺のこと、ウザいとかキモいとか思わないんだろうか?

無口でつまらない、俯いてばかりの俺のこと。