ある朝、俺が病院に着くとじいちゃんはまだ寝ていた。
起こさないようにそっと荷物を置き、財布だけを取って病室を出る。


売店へでも行こうか。
すると、前から直美さんが歩いてくるのが見えた。

もしも声をかけられたら、ちゃんと会話が出来る自信、ない。

そんなのって格好わりぃな……

俺は踵を返して逆方向に歩きだし、エレベーターに乗った。


顔見知りが出来ると、色々と面倒臭い。気疲れしてしまう。

俺は……変、なのかな。