「直美ちゃん、そいつは俺の孫なんだ。」


そう言ってじいちゃんは俺を紹介した。
看護士さんは柔らかく微笑み、会釈してくれた。


「こんにちは。この病棟のナースで、原口直美といいます。」


俺も軽く会釈した。


「小森さんて、面白い方ね。お話するのが楽しみなんです、私。」


直美さんはなんとも人懐っこく笑う。
ふんわりと優しく明るい雰囲気を持つ彼女は、まるで辛いことなどないようだった。