「お前、なんで大学辞めたんだ?」 何度も、嫌になるほど聞かれたこと。 俺はもう答えるべき言葉を頭に暗記してしまっている。 「やりたいことが、分からなくなったんだ。」 するとじいちゃんはハン、と鼻で笑った。 「鼻垂らした小僧が高尚なこと言いやがって。」 「鼻なんか垂らしてねぇよ……。」 俺の揚げ足取りがなんだか情けなく響いた。