ある日の夕方。昨晩から降り続いていた雨が緩やかにやみ始めていた。 俺はじいちゃんのベッドの横で本を開いていた。 今日読んでいるのは推理小説。これも一度読んでいるから結末は知っている。 俺は一度解いたパズルも、何度も繰り返して楽しめる性格だった。 じいちゃんはじいちゃんでテレビを見ていた。 どうして年寄りは時代劇が好きなんだろう。謎だ。 不意にじいちゃんがぽつりと呟いた。