病室に入ると、じいちゃんは眠っていた。親父は付き添う上での簡単な注意を述べた後、そそくさと帰って行った。

「任せたぞ。」
そんな言葉を残して。


目の前のベッドに横たわっているじいちゃんは、俺の記憶の中の姿よりも弱々しかった。


じいちゃんは、ばあちゃんが死んでからはずっと一人暮しだった。

今回は庭で倒れていたところを、たまたま近所の年寄り仲間が見付けてくれたらしい。


じいちゃんの肌は少し浅黒く、髪は大半が白かった。