なんだか不満だったけれど、どうやら俺に断る余地はなさそうだ。


俺はお袋に促され、簡単に荷物をまとめて車に乗り込んだ。

こんな風に親父の運転する車の助手席に座ることなんて、もう無いと思っていた。


少し汚れた大きな川にかかる橋を渡り、車で20分くらいの病院に向かう。


その途中、グングンと流れる窓の外の景色を見ながらぼんやり考えていた。

俺は昔おじいちゃんっ子だった。男らしくて格好良いじいちゃんが、俺は好きだった。