白の森

小さな背中を見つめながらアッシュは自分の行動を後悔した。

ティアは何も知らないのに。

自分の仕事のこと、信念。それは自分の問題でティアは関係ない。

ティアにとっては自分は侵入者なのに、寝床や食事まで作ってくれている。

不用意に近づいて、自分の都合で突き放す。

人との関わりを忘れているティアになんて酷なことをしてしまったのだろうか。

｢何してるの？｣

考え込むアッシュの前にティアが立っていた。

｢あのな、ティア｣

｢外にいたいなら別だけど、中に入った方が良い。食事にするわ。部屋に持っていくから｣

｢ティア、またお前と一緒に食べても良いか？｣

｢好きにすればいい｣

ティアは決して自分の顔を見ることはしなかった。