白の森

それは自分の心が全てなくなれば良いのに

無くなれば、苦しいこともない。

無くなって欲しいと

祈る歌だ。


アッシュは思わず外に出た。

悲しい歌声。

なおもティアの歌は続いている。

自分の心を慰めるように。

そうなれば良いのにという叶わない願いを込める歌は、アッシュの心を抉った。


「ティア!」

声が聞こえた裏に回る。

ティアは夕日に向かって歌っている。


日が昇ることと同じように

新しい心が

生まれますように


アッシュの声が聞こえないのかティアは歌っている。

再度、声をかけようとしたがティアとアッシュの間を引き裂くようにオーフェンが現れ、アッシュを見ていた。

「オーフェン・・・」

傍らの木にはエーデルトラウト。ティアから少し離れたところにはディアスまでがいた。