白の森

皆を頼む。約束を守れないが、自分の代わりにこの国を立て直してくれとスタンは笑って言った。

「そう。じゃあ、帰り道教えるから」

ステラはドアの方に向かう。

「くっ、分かった」

アッシュは唇を噛み締めて、スタンの肩を掴んだ。そして、その腕を引いてスタンの身体を下げた。

「アッシュ!」

「オレが残る!スタンさんあんたが戻ってくれ!必ず、この国を救ってくれ」

彼と一緒にこの国を変えてやると誓ったのに、こんなところで潰えるなんて。

こんな女のために

アッシュは目頭が熱くなる気がした。

沸き上がってくる憎悪の先にはステラがいた。