「ここで仕留める」

アッシュは魔物が現れるタイミングを計る。

木が折れる音、雄叫びが、一緒くたになり二人に襲い掛かる。

「っ!」

その姿に二人は息を飲む。現れたのは、闇夜に映える、白い毛皮の大熊だった。
毛色もそうだが、みたこともないほどに大きい。

大熊は二人を獲物と定めたように、腕を振り上げた。
二人は左右に分かれてそれをかわした。

大熊はスタンを獲物と定めたのか、スタンに襲い掛かる。

「ちっ!」

舌打ちと共に、焚火の枝を火がついたまま、熊目掛けて蹴りあげた。

獣ならば、火を怖がるはずだと踏んだからだ。