白の森

「スタンさん、大丈夫か?」

「あぁ…、両腕が焼けるような感じがする」

苦しいはずなのにスタンは笑っている。アッシュを安心させるために。スタンはそういう男だ。自分よりも他人、誰かの安らぎを考えられる男だ。

自分が彼の為に出来ることは、祈ることだけだ。

スタンの怪我が治り、早く元気になって欲しい。

「何してるの?」

女の手には様々な物を持って戻って来た。

「オレに出来ることは、祈ることだけだ」

「くだらない」

女がアッシュの祈りを一言で一蹴した。

「祈ってる暇があるなら水を組んできたり、汗ぐらい拭いてあげたら」

「法に反しろっていうのか」

「祈って誰かが救えるなら、苦労しないわ」