「それでも人を襲って良いわけねぇよ」

アッシュが言い切ると、スタンは小さく頷いた。


それから他愛のない会話が続いた。

時間が経ち、月がてっぺんに来ている。

森には梟などの夜行性の鳥の声が聞こえてくるだけだった。

「明日はこの森をでよう。体制をたて直さないと、魔物どころの話しじゃない」
スタンの言葉に頷いた、次の瞬間、静けさを打ち消すような轟音が響いた。

「なんだ!」

二人は驚いて立ち上がった。腰の剣を抜いて構えるとまた音が聞こえた。

地を揺るがすような音

「これが魔物の声か!」

「なんつう気味の悪い声だ」

声はどんどん増えて近づいてくる。木々を折り進む音も聞こえ、二人は声を潜める。