白の森

「アッシュ、好き」

「うん」

「好き」

「あぁ」

何度も繰り返すティアの身体を抱いてアッシュは涙を流した。

ティアは嘘は言わない。

明日、自分たちは別れる。

望んでいたのにティアと別れることだけは望んでいなかったかの様に絶望した。

「ティア」

「アッシュ」

何度も名前を呼び合い、手の指を絡ませた。

繋がりあった心のように全て一つになれれば良いのに。

「明日なんて来なければいい」

アッシュは明日を呪うように呟いた。

「明日は来るわ。ずっとずっとくるわ」

「それでも明日が来なければティアとずっと一緒にいられるんだ」


アッシュは初めて世界を、憎んだ。