当時私には彼氏がいた。名前は日向。

もちろん好きなんて感情はなかったし、相手が一方的に好きだっただけ。

付き合って2ヵ月たった頃には、関係を保つのが面倒になっていた。



「ひゅーがぁ・・・別れよう、あたしもう無理。」

電話越しに口にした言葉に、日向はしばし黙り込む。

「・・・俺なんかしたっけ?それとも嫌な所があった?ねぇ・・・俺真白のこと好きだよ・・・別れたくねぇよ!俺じゃダメなんか・・・?」
「ごめん、もう好きじゃないんだ。つきあってるの面倒くさい。じゃあね」

プツッーーーーーーーー。


話すのも説明もめんどくさくなって半強制的に電話を切った後、日向のケー番をすぐに着信拒否した。


「感情なんてあたしにはないんだよ・・・」