「ティアラ姫がお目覚めになられたら、すぐに知らせるように…と、おおせ付かっておりますので。
仏頂面で愛想もなにもない王太子様でございますが、あなた様のことは心配しておられるようなのです。
…まあ、起き上がれないほど体調が優れないようなら、私はティアラ姫のお体を優先し、リューン様のご命令でも聞き入れるわけにはいきませんが。」
最後にマクサスの笑顔とともに、冗談っぽく付け加えられた言葉は、ティアラに小さな笑みを与えた。
「……ええ。
そうですよね…、私、いきなり倒れて…皆様にご迷惑をおかけして…。
それでいてお礼の言葉も言ってないんですもの。
リューン様に謝らせていただけませんか?」
起き上がってこちらをジッと見つめるティアラ。
マクサスはというと…、今回のことはティアラに非はないと思っているのだが……。
むしろ、無理矢理会わせたリューンに責任があるという点で、マクサスとメルートの意見は一致していた。
