そこはティアラが以前目覚めた白い壁の部屋だった。



だが、辺りが暗くなり蝋燭と暖炉を燈したため、その特徴的な壁の色は、柔らかいオレンジの光が揺らめいている。






「リューン様を呼んで参ります。

責任を感じたのでしょう、とても心配なさっておいででした。」





あの意識を失う前に聞こえた声は、彼のものだったのか…とティアラはぼんやりと思う。



そして、そう思うと同時に、涙が溢れそうになった。




自分の弱さが情けなかったのだ。






「マクサス様…どうか、お呼びにならないで……。」





ティアラの弱々しい懇願に、マクサスはドアへと向かっていた歩みをピタリと止め心配そうに彼女を見つめた。