「ん………………。」
「ティアラ姫!
よかった…。
お目覚めになられましたか。」
ホッとしたようなマクサスの声。
最初は、何が起こっているのか分からなかった。
ふと突然、意識がはっきりしてティアラは目をうっすらと開けたばかり。
自分が柔らかい布団の敷かれたベッドに寝かされていることさえも、いきなり覚醒した頭では考えが回らなかった。
「…私……。」
…だが、脳はちゃんと覚えていたらしい。
自分の身に直前に起こった出来事は、意識がはっきりするにつれ、濁流のように一気に彼女に流れ込んだ。
「ティアラ姫、ご気分は…いかがですか?」
優しく語りかけてくるマクサスの声を認識し、ティアラの鼻はツンと痛む。