大きな廊下と広間を隔てる扉をメルートが叩き声を張り上げた。 「ティアラ姫をお連れいたしました。」 彼の声に反応するかのように、大きな扉は重厚な音を立てながらゆっくりと外側に開く。 その瞬間、広間の中での喧騒が一気にティアラに襲いかかった。 部屋の者全てが扉に背を向け片膝をついている。 そのほとんどはルシカの兵士で、繋がった鎖で体の自由を奪われていた。 …そして聞き覚えのあるがなり声がティアラの耳を掠める。