囚われの姫




「ティアラ様…?

大丈夫ですか?」



アルクは腕の中で固まっているティアラに優しく声をかけた。

ティアラはゆっくりと顔を上げる。



「っ……」



だけど、思ったよりアルクの青い双眸が近くて、彼女はすぐに下を向いてしまう。




「ティアラ様…お顔を…どうか、上げてくださいませんか…。」




いつもより耳のそばで囁かれた声は切なさを含んでいて。


ティアラは少しだけ、顔を上に向けた。



「ティアラ様…。」


「アルク…様っ……!?」



ティアラの焦った声に気づかないふりをして、コツンと、アルクは彼女の額に自分のそれをくっつける。