ふふっと嘲るように笑い、ターニャは震えるティアラを睨みつけた。
「お前は忌むべき者。
私があの日に言った言葉を、忘れたわけではあるまいな…?」
びくりとティアラは体を震わせ、恐々と頷く。
淡い紫の瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうになっていた。
「私はっ………自らの死をもって…この世に生まれたという私の最悪の罪を…償う……。
覚えています…ターニャ様……。」
「ティアラ様っ!?」
アルクは驚きに目を見開いた。
死をもって償うと…ティアラは確かに自らの口で言ったからだ。
「ターニャ様……、あなた様がまたここにいらっしゃった、ということは……。
私を捧げる時が…来たのですね…。」
ティアラの頬を一筋の涙が流れ落ちる。
ターニャは涙したティアラに満足げにほくそ笑み、ゆっくりと頷いた。
「ふふふっ……物分かりの良さは健在のようですわね…姫君。
聡明な姫を失うことは…とても辛いことですわ…。」
