囚われの姫





ティアラは異性の腕に抱かれるのも初めてだったし、告白をされるのも初めてだった。



忌むべき者と言われた自分を好きだと言われ混乱するけれど…、彼の腕の中は暖かくて…色々な気持ちがごちゃごちゃとかき混ざる。




「セロク様にお仕えしてきたのも、ティアラ様のため。

あなたは…私の心の支えでした…。


……なのに…」




「そこまでだ、アルク殿。」






いきなり鼻をつく薔薇の香と鋭い鈴の音、そして冷たい声がアルクの言葉をぴしゃりと止めさせる。



「抱き合いながら愛の告白…?

なんてロマンチックなのかしら…。」



笑いを含む声でドアを開けたのは…。





「………ターニャ殿」


意地悪く微笑む占い師だった。